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特定技能1号と2号の違いは? 雇用における注意点も解説!

特定技能1号と2号の違いは? 雇用における注意点も解説!

2022.06.29

特定技能には、特定技能1号と特定技能2号という2種類の在留資格があり、それぞれの違いが気になっている方もいるでしょう。また、特定技能人材を雇用する際に何を注意すべきかも気になるところです。今回は特定技能の概要をおさらいしつつ、1号と2号の違いや、採用する際の注意点などを解説していきます。

特定技能とは?

特定技能とは、日本産業の各分野における人手不足に対処するために、外国人の受け入れを認める在留資格です。

技能実習との違いが気になる方もいるかもしれません。技能実習制度では、外国人に実習で日本の技術を習得して母国に広めてもらいます。つまり、技能実習制度の目的は国際貢献です。

その点、特定技能は一定の専門性や技能を備えた外国人を即戦力として受け入れる制度です。国際貢献ではなく日本の雇用環境を改善することを目的としています。

特定技能には1号と2号に分かれており、それぞれ受入可能な分野が異なります。

特定技能1号

特定技能1号は、特定の産業分野に関する相当程度の知識・経験が必要な業務に従事する外国人を対象とした在留資格です。

特定技能1号で受け入れできる分野は下記の通りです。

 

■介護分野

■ビルクリーニング分野

■素形材産業分野

■産業機械製造業分野

■電気・電子情報関連産業分野

■建設分野

■造船・舶用工業分野

■自動車整備分野

■航空分野

■宿泊分野

■農業分野

■漁業分野

■飲食料品製造業分野

■外食業分野

 

受け入れ分野の見直しが進み、「素形材産業分野」「産業機械製造業分野」「電気・電子情報関連産業分野」が「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野」に統合され、14分野から12分野に減りました。

技能水準については試験等で確認が必要です。技能実習2号を修了している場合は試験が免除されます。日本語能力に関しては、生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認しなければなりません。

特定技能1号の在留期間は最大で5年間であり、期限を迎えると母国に帰国しなければなりません。家族の帯同が認められないという制限もあります。

なお、特定技能1号は受入機関あるいは登録支援機関による支援の対象です

特定技能2号

特定技能2号は、特定の産業分野に関する熟練した技能が必要な業務に従事する外国人を対象とした在留資格です。

特定技能2号の受入分野は下記の通りです。

■建設分野

■造船・舶用工業分野

特定技能1号と同様に技能水準については試験等で確認しますが、日本語能力に関しては試験等の確認が不要です

特定技能2号では在留期間が無制限です。更新の許可を取得すれば、日本に永住して就労できます。要件を満たせば子や配偶者の帯同まで認められます。

なお、制度の変更によって1号に該当した介護分野以外の分野が2号に追加される運びとなっています。

これまで該当分野の種類が少なく、限られた企業にしか関係のない在留資格でしたが、今後は特定技能2号の外国人も戦力として検討しやすくなるでしょう。

なお、特定技能1号と違って受入機関あるいは登録支援機関による支援の対象外です。

特定技能1号と特定技能2号の違い

特定技能1号と特定技能2号の違いを表にまとめます。

 

特定技能1号

特定技能2号

在留期間

1年、6か月あるいは4か月ごとに更新

※通算で上限5年まで

3年、1年あるいは6か月ごとに更新

技能水準

試験等で確認

※技能実習2号を修了している外国人は試験等免除

試験等で確認

日本語能力

生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認

※技能実習2号を修了している外国人は試験等免除

試験等による確認は不要

家族の帯同

基本的に認められない

配偶者や子に関して要件を満たせば可能

業界

■介護分野

■ビルクリーニング分野*

■素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野*

■建設分野

■造船・舶用工業分野

■自動車整備分野*

■航空分野*

■宿泊分野*

■農業分野*

■漁業分野*

■飲食料品製造業分野*

■外食業分野*

■建設分野

■造船・舶用工業分野

※制度変更によって1分野の*について2号に追加予定

受入機関あるいは登録支援機関による支援の対象

対象

対象外

特定技能人材の雇用における注意事項

特定技能人材を雇用するときにはいくつか注意点があります。特定技能人材を雇用するときの注意点をまとめてみます。

 

注意点1.雇用前に各種試験に合格しなければならない

特定技能制度において、特定技能人材の実力を保つために、技能試験や日本語試験の合格が求められます。

基本的には各試験に合格したあとに受入機関が特定技能雇用契約を締結します。

しかし、特定技能人材を雇用するときは、各試験に合格する前に内定を出せる点に注意が必要です。

仮に特定技能雇用契約を締結したあと試験に落ちてしまえば、受け入れが認められなくなってしまいます。

 

注意点2.受入機関の義務を果たす必要がある

特定技能外国人を採用するときは、特定技能外国人が安定的かつ円滑に在留資格にもとづいて活動できるよう、職業生活や日常生活、社会生活の支援を実施しなければなりません。

そのため、受入機関には特定技能外国人支援計画の作成が求められます。

支援計画の主な記載内容は下記の通りです。

・支援責任者の氏名および役職など

・登録支援機関(委託する場合)

・事前ガイダンス

・出入国時の送迎

・住居確保や生活に必要な契約支援

・生活オリエンテーション

・公的手続等への同行

・日本語学習機会の提供

・相談や苦情への対応

・日本人との交流促進

・転職支援(人材整理が必要なとき)

・定期的な面談や行政機関への通報

 

なお、受入機関は支援業務に関して登録支援機関に支援計画の全部あるいは一部を委託することも可能です。ただし、委託を受けた登録支援機関がさらに委託することは禁止されています。

 

注意点3.受け入れるための基準を満たす必要がある

受入機関が特定技能外国人を受け入れるために満たすべき基準があります。基準を満たさないと特定技能ビザの許可を得られないため、結果として特定技能外国人を雇用できません。

まず、外国人と結ぶ雇用契約が適切である必要があります。たとえば、特定技能外国人の報酬額や労働時間などが、日本人と同等以上でなければなりません。

また、受入機関自体が適切である必要もあります。具体的には社会保険や労働保険、租税などの法令を遵守していなければなりません。「禁錮以上の刑に処せられた者」といった欠格事由にも該当してはいけません。

そのほか、外国人が一時帰国を希望する際に必要な有給休暇を与えられる環境も必要です。

 

注意点4.協議会の構成員になることが必要

特定技能外国人の受入機関は、特定産業分野別に分野所管省庁が設置する協議会の構成員にならなくてはなりません。

たとえば介護分野で特定技能外国人を受け入れる受入機関は、初めて特定技能外国人を受け入れた日から4か月以内に「介護分野における特定技能協議会」になる必要があります。

協議会は、分野所管省庁をはじめ業界団体や関係省庁などで構成されています。各エリアの事業者が特定技能外国人をスムーズに受け入れできるよう、制度や情報の周知、法令順守の啓発などを行っています。

まとめ

以上、特定技能の概要をおさらいしつつ、特定技能1号と特定技能2号の違いを解説しました。 特定技能1号と特定技能2号では、在留期間の制限や家族の帯同の可否などが異なりました。 今後は、特定技能1号の対象分野が特定技能2号の対象分野としても認められる流れになっています。特定技能2号に関する雇用も視野に入れておくとよいでしょう。 特定技能外国人を受け入れるときには、受入機関としての義務を果たし、受入機関としての基準を満たす必要もありました。 適切な雇用を実現するためにも、義務や基準などを見落としなく把握したうえで、特定技能制度を活用しましょう。