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建設分野における特定技能人材の現状は? 求められる水準や受け入れの流れなどを解説!

建設分野における特定技能人材の現状は? 求められる水準や受け入れの流れなどを解説!

2022.12.27

特定技能1号建設分野における特定技能人材の現状

 

建設分野では、高齢の熟練技能者の大量引退が始まりつつあることや、大規模災害からの復旧工事のニーズなどによって、地域によって人手不足が強くなっています。

令和5年の人手不足の見込み数は21万人であり、外国人の受け入れが求められています。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もふまえ、令和5年末までの受入見込み数は最大3万4,000人とされました。

なお、雇用形態は直接雇用に限られています。

 

>>参考:建設分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(法務大臣)

 

人数の推移

 

 

 

 

>>引用:分野別特定技能在留外国人数の推移(出入国在留管理庁)

 

建設分野における特定技能人材の人数は、令和3年6月末が2,781人(9.5%)で4位、令和3年12月末が4,871人(9.8%)で5位、令和4年6月末が8,493人(9.7%)で5位でした。

令和3年12月末には介護分野のほうが多くなりましたが、人数の増加は加速しています。

 

都道府県別の状況

令和4年6月末時点で、都道府県別における建設分野の特定技能人材の人数は、埼玉県が950人で1位、東京都が848人で2位、愛知県が796人で3位となっています。建設分野では、経済の中心地もしくはそのベッドタウンで人数が多い傾向が読み取れます。

 

>>参考:特定技能在留外国人数(出入国在留管理庁)

 

国別の状況

令和4年6月末時点で、国別における建設分野の特定技能人材の人数は、ベトナムが5,897人で1位、フィリピンが897人で2位、インドネシアが596人で3位となっています。建設分野の特定技能人材を受け入れるときは、ベトナム語による支援が重要になるでしょう。

 

>>参考:特定技能在留外国人数(出入国在留管理庁)

 

建設分野における特定技能人材が従事する業務範囲

 

建設分野における特定技能人材が従事する業務範囲は土木区分、建築区分、ライフライン・設備区分の3つに分けられます。

区分

具体的な業務例

土木

コンクリート圧送や、とび、建設機械施工、塗装など

建築

建築大工や、鉄筋施工、とび、屋根ふき、左官、内装仕上げ、塗装、防水施工など

ライフライン・設備

配管や保温保冷、電気通信、電気工事など

 

建設分野における特定技能人材に求められる水準

 

建設分野における特定技能の種類は1号と2号に分かれています。

特定技能1号は、特定産業分野に属する相当程度の知識あるいは経験が必要な技能を要する業務に従事するための在留資格です。建設現場で指導者の指示・監督を受ける立場になっています。

その一方で特定技能2号は、特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事するための在留資格です。建設現場で建設技能者を指導して工程を管理する立場になっています。在留期間の更新上限はありません。家族の帯同も認められています。

建設分野における特定技能人材に求められる水準は、1号と2号で異なっています。1号と2号に分けて具体的な水準を解説していきます。

 

1号特定技能の場合

 

建設分野における特定技能1号を取得するには、建設分野に関する2号技能実習を修了していない場合、技能評価試験と日本語試験に合格する必要があります。

建設分野に関する2号技能実習を修了している場合は、必要な技能水準および日本語能力の水準を満たしているとして取り扱われます。

 

技能評価試験

建設分野特定技能1号評価試験または技能検定3級に合格する必要があります。

土木、建築、ライフライン・設備の業務区分によって、試験区分が細かく分かれています。

土木

建築

ライフライン・設備

■建設分野特定技能1号評価試験(土木)

■技能検定3級(型枠施工)

■技能検定3級(鉄筋施工)

■技能検定3級(とび)

■技能検定3級(造園)

■技能検定3級(塗装)

■建設分野特定技能1号評価試験(建築)

■技能検定3級(型枠施工)

■技能検定3級(左官)

■技能検定3級(かわらぶき)

■技能検定3級(鉄筋施工)

■技能検定3級(内装仕上げ施工)

■技能検定3級(とび)

■技能検定3級(建築大工)

■技能検定3級(建築板金)

■技能検定3級(塗装)

■技能検定3級(ブロック建築)

■技能検定3級(広告美術仕上げ)

■建設分野特定技能1号評価試験(ライフライン・設備)

■技能検定3級(配管)

■技能検定3級(建築板金)

■技能検定3級(冷凍空気調和機器施工)

日本語試験

「国際交流基金日本語基礎テスト」あるいは「日本語能力試験(N4以上)」に合格しなければなりません。

 

2号特定技能の場合

建設分野の特定技能2号は、技能試験に合格することと、実務経験を有していることが条件です。

 

技能試験

建設分野特定技能2号評価試験または技能検定1級に合格する必要があります。

土木、建築、ライフライン・設備の業務区分によって、試験区分が細かく分かれています。

 

土木

建築

ライフライン・設備

■建設分野特定技能2号評価試験(土木)

■技能検定1級(型枠施工)

■技能検定1級(コンクリート圧送施工)

■技能検定1級(鉄筋施工)

■技能検定1級(とび)

■技能検定1級(ウェルポイント施工)

■技能検定1級(鉄工(構造物鉄工作業))

■技能検定1級(塗装)

■技能検定1級(さく井)

■技能検定1級(造園)

■技能検定単一等級(路面標示施工)

■建設分野特定技能2号評価試験(建築)

■技能検定1級(型枠施工)

■技能検定1級(左官)

■技能検定1級(コンクリート圧送施工)

■技能検定1級(かわらぶき)

■技能検定1級(鉄筋施工)

■技能検定1級(内装仕上げ施工)

■技能検定1級(表装)

■技能検定1級(とび)

■技能検定1級(建築大工)

■技能検定単一等級(枠組壁建築)

■技能検定単一等級(エーエルシーパネル施工)

■技能検定単一等級(バルコニー施工)

■技能検定1級(建築板金)

■技能検定1級(熱絶縁施工(吹付け硬質ウレタフォーム断熱工事作業))

■技能検定1級(石材施工)

■技能検定1級(タイル張り)

■技能検定1級(築炉)

■技能検定1級(鉄工(構造物鉄工作業))

■技能検定1級(塗装)

■技能検定1級(防水施工)

■技能検定1級(建具製作)

■技能検定1級(カーテンウォール施工)

■技能検定1級(自動ドア施工)

■技能検定1級(サッシ施工)

■技能検定1級(ガラス施工)

■技能検定1級(ブロック建築)

■技能検定1級(樹脂接着剤注入施工)

■技能検定1級(広告美術仕上げ)

■技能検定1級(厨房設備施工)

■建設分野特定技能2号評価試験(ライフライン・設備)

■技能検定1級(配管)

■技能検定1級(建築板金)

■技能検定1級(熱絶縁施工(保温保冷工事作業))

■技能検定1級(冷凍空気調和機器施工)

 

実務経験

必要な経験は下記の通りです。

・建設現場で複数の建設技能者を指導しながら作業に従事した

・班長として工程を管理した

 

 

建設分野の特定技能人材を受け入れる企業に求められる手続き

 

建設分野の特定技能人材を受け入れる企業に求められる手続きの流れは下記の通りです。

 

1号特定技能の場合
ステップ1:建設業法第3条許可を取得する ステップ2:建設キャリアアップシステムに登録する ステップ3:JAC(建設技能人材機構)に間接的あるいは直接的に加入する ステップ4:特定技能雇用契約に関する重要事項を説明する ステップ5:特定技能雇用契約を締結する ステップ6:建設特定技能受入計画の認定申請をする ステップ7:1号特定技能外国人支援計画を作成する ステップ8:在留資格変更許可申請あるいは在留資格認定証明書交付申請を行う ステップ9:1号特定技能外国人受入報告書を提出する(受入後から1か月以内) ステップ10:受入後講習を受講する(受入後から3か月以内)

 

建設キャリアアップシステムは、技能者の就業実績や資格を登録するシステムであり、インターネット申請と窓口申請を選べます。

JACの加入は、正会員団体の会員になる方法と、JACの賛助会員になる方法に分かれます。正会員団体の場合は各建設業者団体が定める会費の負担が必要であり、JACの賛助会員の場合は年会費24万円を支払う必要があります。

 

2号特定技能の場合
ステップ1:建設キャリアアップシステムに登録する ステップ2:JACに間接的あるいは直接的に加入する ステップ3:在留資格変更許可申請あるいは在留資格認定証明書交付申請を行う

 

特定技能1号建設の特定技能人材を雇用するときにおすすめの人材紹介会社

JAC

JACは、建設分野における特定技能人材を紹介している人材紹介会社です。

海外の関係機関と連携して、日本語や技術の訓練はもちろん、安全衛生教育まで実施しています。特定技能人材を採用したあと、建設現場における事故のリスクを減らしやすいでしょう。

職員が企業の代表と特定技能人材に直接インタビューして、現場の声を届けています。建設分野で特定技能人材を採用するイメージを湧かせたい方にもおすすめです。