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特定技能「介護」に必要な試験とは?【免除規定も解説】

特定技能「介護」に必要な試験とは?【免除規定も解説】

特定技能「介護」に必要な試験とは?【免除規定も解説】

2021.03.22

介護分野において、特定技能人材がどんなスキルを持っているのか、知りたい方もいるでしょう。その際に参考になるのが、特定技能人材が受験する試験です。

 

各試験の情報を知ることで、特定技能人材が有している介護スキルや日本語能力の概要を理解できます。

■特定技能「介護」に必要な試験とは?

 

 

〇特定技能「介護」に必要なのは、「技能試験」と「日本語試験」の2つ。

〇技能試験:介護技能評価試験

〇日本語試験:国際交流基金日本語テストor日本語能力試験のどちらかと、介護日本語評価試験

 

 

特定技能「介護」は、介護分野の知識・経験が必要な業務を行う外国人向けの在留資格です。

 

したがって、特定技能1号については、介護に関する技能水準を試験で確認する必要があります。

 

また、日本で就労をするのに必要な能力は、介護の専門知識や経験のみならず、生活や介護業務に必要な日本語スキルも求められています。

 

法務省の特定技能ガイドブックによると、特定技能「介護」に必要な試験は、技能試験と日本語試験の2種類に大別されていますが、後者は①日本語試験、②介護日本語試験の2つにわかれています。

 

現行制度においては、技能試験は「介護技能評価試験」であり、日本語試験は「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4 以上)」、介護日本語試験は「介護日本語評価試験」です。

 

参考:特定技能ガイドブック(法務省)

 

■特定技能「介護」に必要な技能試験

 

「介護技能評価試験」とは、介護の仕事に必要な基本知識や判断力を測定するテストです。試験は学科試験と実技試験で構成されています。

 

【概要】

 

試験言語

試験実施国の現地語

試験作成

厚生労働省

試験実施および運営

厚生労働省が補助する介護技能評価試験等実施事業者(補助事業者)

実施方法

コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式

実施場所

国際交流基金日本語基礎テストを実施する 9 か国(※)のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整備された国及び日本国内

 

※ベトナム、フィリピン、カンボジア、中

国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル

実施回数及び実施時期

原則として毎月実施

受験資格者

17歳以上

 

【試験内容】

 

試験時間

60分

問題数

45問

学科試験の内容

・介護の基本(10 問)

・こころとからだのしくみ(6問)

・コミュニケーション技術(4問)

・生活支援技術(20 問)

実施試験の内容

・生活支援技術(5問)

試験水準

介護技能実習評価試験と同等水準(介護職種・介護作業の第2号技能実習修了相当)

 

参考:「介護技能評価試験」試験実施要領(厚生労働省)

 

■特定技能「介護」に必要な日本語試験

 

特定技能「介護」に必要な日本語試験は、「国際交流基金日本語基礎テスト」と、「日本語能力試験(N4 以上)」のどちらかです。それぞれの概要や試験内容を確認してみましょう。

 

国際交流基金日本語基礎テスト

 

国際交流基金日本語基礎テストは、独立行政法人国際交流基金が運営している外国人向けの日本語テストです。 

「相互理解のための日本語」を理念とする「JF日本語教育スタンダード」の考えにもとづいています。

 

【概要】

 

試験言語

・使用言語は日本語

・指示文に関しては受験者が試験実施国の現地語から選択

実施主体

独立行政法人国際交流基金

実施方法

コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式

実施回数

外務省と国際交流基金が協議して事業年度ごとに複数回実施

実施場所

ベトナム、フィリピン、カンボジア、中国、インドネシア、タイ、ミャンマー、

ネパール、モンゴルの中で、実施環境が整備された国および日本

受験資格者

・日本語を母語としない人物

・インドネシアとミャンマーの国籍であれば試験日時点で満18歳以上

 

【試験内容】

 

試験時間

60分

試験問題数

60問程度

セクション

・文字と語彙

・会話と表現

・聴解

・読解

試験水準

・仕事や買物をはじめ個人的情報や家族情報などに関する文や表現を理解できる

・日常の事柄について情報交換に応じられる

・自分の背景や身近な状況などを簡単な言葉で説明できる

 

参考:国際交流基金日本語基礎テストに係る試験実施要領(国際交流基金)

 

日本語能力試験(N4 以上)

 

日本語能力試験は、1984年に国際交流基金と日本国際教育試験協会が共催した試験です。2011年には、世界62ヶ国・約61万人が受験する規模までに発展しました。

 

特定技能「介護」では、日本語能力試験におけるN4以上のレベルが要求されます。

 

N4の日本語レベルは、読み・聞きに分け判断され、読みの場合は基本的な語彙や漢字で書かれた身近な話題の文章を理解できるレベル、聞きの場合は日常的なシーンでややゆっくり話される会話内容を理解できるレベルです。

 

【概要】

 

 試験言語

日本語

 実施主体

国際交流基金と日本国際教育試験協会

実施方法

マークシート方式(多枝選択)

実施回数

年2回(7月と9月)

実施場所

日本・海外

受験対象者

・年齢制限なし

・母語が日本語ではない人物

 

【試験内容(N4)】

 

試験時間

115分

 セクション

・言語知識(文字・語彙)

・言語知識(文法)・読解

・聴解

試験水準

基本的な日本語を理解できる(N4)

 

参考:

N1~N5:認定の目安(国際交流基金)

よくある質問(国際交流基金)

 

 

■特定技能「介護」に必要な介護日本語試験

 

■特定技能「介護」に必要な介護日本語試験

 

介護日本語試験は、介護現場における日常用語や会話などに対する理解度を判定する試験です。サンプル問題としては、更衣室や車椅子の意味を問う問題などが公開されています。

 

【概要】

 

 

試験言語

・日本語

・指示文は試験実施国の現地語

試験作成

厚生労働省

試験実施および運営

厚生労働省が補助する介護技能評価試験等実施事業者(補助事業者)

実施方法

コンピューター・ベースド・テスティング(CBT)方式

実施回数

原則として毎月実施

実施場所

国際交流基金日本語基礎テストを実施する 9 か国(※)のうち、国際交流基金日本語基礎テストの実施環境等が整備された国及び日本国内

 

※ベトナム、フィリピン、カンボジア、中

国、インドネシア、タイ、ミャンマー、ネパール、モンゴル

 

受験資格者

・17 歳以上

・日本国内の試験では在留資格が必要

 

 

【試験内容】

 

試験時間

30分

問題数

15問

セクション

・介護の言葉

・介護の会話・声かけ

・介護の文書

試験水準

介護現場で介護業務を行うのに支障のないレベル

 

参考:

「介護日本語評価試験」試験実施要領(法務省)

介護日本語試験 サンプル問題 Example(厚生労働省)

■試験の免除規定について 

 

 

〇介護福祉士養成施設の修了者

〇EPA介護福祉士候補者

〇技能実習2号の良好な修了者

 

 

特定技能 「介護」は、介護技能試験や日本語試験を受験せずに資格を取得することも可能です。

 

たとえば、社会福祉士及び介護福祉士法によって認可された介護福祉士養成施設の修了者は、両試験が免除されます。

 

また、厚生労働省が指定した施設で4年間の就学・研修を問題なくこなしたEPA介護福祉士候補者も、両試験が免除されます。具体的な条件は、直近の介護福祉士国家試験の結果で、合格基準点の5割以上の得点であること、すべての試験科目で得点があることです。 

 

そして、技能実習生として第二号技能実習を良好に修了した外国人も、両試験が免除されます。 ただし、技能実習2号移行対象職種と、特定技能1号に関する業務区分について関連性が認められなければなりません。

※コロナウイルス感染拡大の影響で解雇された場合は、技能実習を修了した外国人がほかの業種でも労働可能とする特例措置が発動中。

■特定技能「介護」人材は、様々な試験をパスしている

 

以上、特定技能「介護」の在留資格を取得するのに必要な各種試験の概要や試験内容をお伝えしました。

 

技能実習制度に比べると必要な試験は多く、ビザ取得には一定水準の介護スキル、日本語スキルがもとめられることがわかりました。

 

試験結果と実務能力はイコールではありませんが、ある程度のスキルは有していると考えて頂いて良いかと思います。

 

特定技能人材は、人手不足に悩む介護業界を救う貴重な人材です。今すぐにということでなくても、長期間かけて特定技能人材の採用を検討してみてはいかがでしょうか。