飲食店の人材不足を解決する手段として特定技能外国人が注目されています。
ただ、受け入れるときのルールがわからず、採用活動に踏み出せない飲食店経営者もいるでしょう。また、外食業分野では特定技能人材の受け入れが進んでいるのかも気になるところです。
今回は、特定技能外食の概要をはじめ、受け入れの要件や採用の流れなどについて解説していきます。おすすめの人材紹介会社も掲載しているので、あわせて参考にしてみてください。
特定技能外食とは?
特定技能制度とは、国内の特定業種における人材不足を解消するために外国人の受け入れを認める制度であり、外食業分野でも導入が進んでいます。まずは、特定技能外食について導入の背景や在留状況について解説していきます。
特定技能外食が導入される背景
農林水産省が算出したデータによると、令和2年度における外食業に関する有効求人倍率は下記の通りです。
有効求人倍率 |
|
飲食店主・店長 |
4.6倍 |
飲食物給仕係 |
3.2倍 |
調理人 |
2.2倍 |
外食業計 |
2.0倍 |
全産業平均 |
1.1倍 |
全産業と比べて、外食業は全体的に人手不足であることがわかり、特定技能人材を受け入れる必要性が高まっている現状です。
>参考:外食業分野における特定技能外国人制度について p1(農林水産省)
特定技能外食の在留現状(令和4年6月まで)
>引用:特定技能在留外国人数 令和4年6月末現在(出入国在留管理庁)
外食業分野における国籍別の在留外国人数では、ベトナムが1位(2,054人)、中国が2位(247人)、ミャンマーが3位(227人)となっています。
>引用:特定技能在留外国人数 令和4年6月末現在(出入国在留管理庁)
特定産業分野別の割合で見ると、外食業分野が占める人数の割合は3.7%(3,199人)であり、ほかの業種と比較して少ない傾向です。
外食業分野において、令和3年6月から令和3年12月末までの増加人数は468人でしたが、令和3年12月から令和4年6月末までの増加人数は1,214人となっています。外食業分野でも特定技能外国人の登用が加速していることがわかります。
外食業分野で特定技能人材を採用するときの要件と流れ
食業分野で特定技能人材を採用するときの要件と流れを解説していきます。
採用できる外国人の要件
外食業分野で特定技能人材を受け入れるとき、外国人が求められる要件は、「指定の試験に合格している」あるいは「外食業分野の第2号技能実習を修了している」ことです。
具体的な水準は下記の通りです。
【技能水準】
・外食業特定技能1号技能測定試験
試験では、調理や食材、調理機器、食中毒、クレーム対応など、外食業に関するさまざまな知識が問われます。
【日本語能力水準】
・ 「国際交流基金日本語基礎テスト」あるいは「日本語能力試験(N4以上)」
・ そのほか「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と認められるもの
採用の流れ
日本国内に在留している外国人を外食業分野で採用するケースは下記の通りです。
ステップ1:外国人が外食業分野に関する指定の試験に合格する
ステップ2:特定技能外国人として雇用契約を締結する
ステップ3:特定技能外国人の支援計画を策定する
ステップ4:在留資格変更許可申請を地方出入国管理局に対して行う
ステップ5:特定技能1号に在留資格を変更する
ステップ6:就労を開始する
外食業分野で特定技能人材採用するときに重要なポイント
受け入れできる業務内容と業種
【業務内容】
業務 |
内容 |
例 |
飲食物調理 |
客に提供する飲食料理品の調理・調整・製造 |
食材仕込みや加熱調理、盛付けなど |
接客 |
客に飲食料品を提供するために必要な飲食物調理以外の業務 |
席への案内やメニュー提案、代金受取りなど |
店舗管理 |
飲食物調理と接客以外で店舗の運営に必要となる業務 |
衛生管理全般や従業員のシフト管理、顧客情報の管理など |
【業種】
業種 |
例 |
客の注文に応じて調理した飲食料品やその他の飲食料品をその場で飲食させる飲食サービス業 |
食堂やレストラン、喫茶店など |
飲食を目的とした設備を事業所内に設置せず客の注文に応じて調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業 |
持ち帰り専門店など |
客の注文に応じて事業所内で調理した飲食料品を客の求める場所に持参する配達飲食サービス業 |
仕出し料理・弁当屋や宅配専門店など |
客の求める場所で調理した飲食料品を提供する飲食サービス業 |
ケータリングサービス店や給食事業所など |
※「風俗営業」 および「性風俗関連特殊営業」を営む事業所では、飲食物調理・接客・店舗管理の業務であっても、1号特定技能外国人を就労させられません。
※ 雇用形態については、正社員としての直接雇用が認められています。しかしその一方で、派遣は認められません。
食品産業特定技能協議会への加入は必要
初めて外食業分野の特定技能人材を受け入れる場合、該当する人材が入国してから4か月以内に、食品産業特定技能協議会に加入しなければなりません。
加入しない場合、あるいは必要な協力をしない場合は、基準に適合しないと判断されて特定技能人材を受け入れできなくなります。
外食業分野の特定技能人材を雇用するときにおすすめの人材紹介会社(登録支援機関) 5選
外食業分野の特定技能人材を雇用するときにおすすめの人材紹介会社(登録支援機関)を5つご紹介します。
MUSUBEEは、求職者数3,000名以上、採用支援実績100名以上の実績を持つ外国人材紹介会社です。創立当初から外食業分野の特定技能人材をメインとして紹介してきました。
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採用が決まるまでは紹介手数料が0円であり、求人掲載やデータベースの利用、外国人とのチャットを無料で行えます。費用を気にせず外国人材を探したい企業にもピッタリです。
外食人材CREWは、身近な外食チェーン店への導入実績が豊富な外国人材紹介会社です。
たとえば、新宿とんかつさぼてんや安楽亭などでサービスが導入された実績があります。中国語やベトナム語、ネパール語など、さまざまな言語に対応しています。
調理・接客の分野において、特定技能試験に合格した外国人材を正社員として紹介してもらう場合、料金は30万円~です。
marimoHRは、外食産業にレベルの高い語学力を持つ人材を送り出している外国人材紹介会社です。N3以上の語学力を持つ人材を紹介しており、N4基準を上回る質が期待できます。
インドネシアの有名大学とコネクションがあり、インドネシアの人材を紹介してもらいやすいです。
長年日本に在住するインドネシア出身の社員も在籍しており、インドネシアの人材に対するサポートを安心して任せられます。
シェアハウス株式会社は、実質無料で飲食業分野の外国人材を紹介してもらえる外国人材紹介会社です。
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